Vol.27 ~2012.7.1 第25回せせらぎコンサートを終えて~

第25回せせらぎコンサートが終わって、早一週間近くが経とうとしています。
やっと、気持ち的にも平穏な日常に戻ったような今日この頃。

改めまして、雨の中ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。
色々とご協力頂いた関係者の皆様、お世話になりました。
そして、楽団の皆さん、お疲れ様でした。

トロンボーンの私にとって、今年一番力が入った曲は、やっぱりA Song for JAPAN。
基礎練習不足の私にとって(すみません…)、本番この曲の時に、如何に唇の状態を
ベストコンディションにもっていけるかが課題となりました。 
個人、パート練習やイメージトレーニングを私なりに頑張り、本番数日前から当日も、
ペース配分に神経を注ぎました。

合奏練習の時、自分の技量不足を情けなく思いながら、密かに
『なんでトロンボーンのバックで吹かなあかんの?』
って思ってる楽団員がいるんじゃないか…とヒヤヒヤしてました。(←相変わらずネガティブ?笑)

しばらく、堂々と吹けない合奏が続きました。
でも、本番が近づくにつれ、色んな人から色んな言葉をかけてもらいました。
トロンボーン以外の演奏もメキメキ仕上がっていきます。
当たり前の事ですが、誰が目立つ目立たない関係無しに、みんな一生懸命演奏しています。
私も、その中に飛び込んだらいいだけやん!と思えました。

リハーサル。初めて舞台の上で演奏した時、後ろから聴こえるみんなの音にゾクゾクしました。
みんなが支えてくれるから大丈夫!と(勝手に)思って吹いたら、すごく気持ち良く吹けました。

そして本番。この曲の冒頭は、震災の恐怖を私に思い出させます。
その恐怖は、更に緊張を煽ります。
思うように音が出せないまま、前半が進みました。
途中、みんなの演奏にフワッと包まれた気がして、それから安心して吹けました。

一人じゃない。

被災者の方へのメッセージと重なった気がして…感極まりました。
それが少しでも誰かに伝わる演奏になってたらいいのにな。
これこそが、この曲が伝えたいメッセージなんだと実感しました。
そして、それを実感させるこの曲の構成はスゴイ!!

せせらぎの温かさを背中で感じ、後押しされながら演奏できた事、感謝しています。
この場をお借りして、お礼を述べさせてください。ありがとうございました。

さて、これで問題をうやむやにしようとは思ってません(笑)
やっぱり、基礎練習不足は致命的。緊張が即、唇の硬直につながってしまった弱さ。
自分自身に納得のいく演奏ができなかった事実。
ただただ、反省です。
この経験を活かして、年齢に不安を感じながらも、温かい団員に囲まれて(笑)もっと強い唇と
メンタルを鍛えるべく、日々精進してまいります。

Trombone かさはら

Vol.24 〜2012.6.22(金)の合奏風景〜

さて、せせコン本番まで残すところあと2回となった合奏練習です。
例年、この日は当日のゲネプロの関係上、2部の曲を練習することが通例となっており、
今年も2部の曲の練習となりました。さすがに本番間近、事実上最後の練習となる曲が
ほとんどとなるので、みなさん集中した中身の濃い合奏だったと思います。

さて、今年の2部曲、トロンボーンパートとしてはなんといっても「A Song for JAPAN」
ですが、それは後述するとして、これだけは言っておきたいという曲があります。
それは「みんなのうたセレクション」なのです。

この曲、メドレーでたくさんの曲(9曲)が出ててきて、楽団のメンバーもみなさん
お気に入りなようで、鳴りすぎのきらいがあると良く注意されていますが、
何故かトロンボーンパートは休みが多いのです。
練習番号でいうと、L~T手前までずっと、70小節ににも渡ります。
9曲中の実質ほぼ半分の4曲が休み(一応1曲は前奏まではあるのですが・・)。
ほんとに、忘れられたかのように・・・。
これ編曲者さんに本当に忘れられているような気がしてます。
それとも嫌われてる・・・?
オケ曲(例えばベートベン)や、オリジナル系の曲ではよくあることなのですが、
メドレー曲でここまで嫌われた?のは初めてですね・・。ちょっとスネてます。
編曲者さん調べたらトランペット奏者さんなんですね・・・・。

それはさておき、、

書かなくてはいけない「A Song for JAPAN」についてです。
この曲をやろうと言い出したのも私なので、やっぱり書いておかないといけないと思ってます。

昨年の3月11日、日本は空前の困難に見舞われました。「東日本大震災」。
当日、私は東京出張中で、関西圏におられただろう他のメンバーと違い、
震度5強の揺れに見舞われ,湾岸地域にいたため、津波が来るという情報の中、
携帯のワンセグ情報のみを頼りに右往左往した経験をしました。
翌日にはせせらぎでのコンサート本番(結果的には延期になりましたが・・)
も控えており、これは帰れないなとあきらめかけてたのですが、
いろんな幸運が重なり、奇跡的に当日中に京都まで帰宅することができたのでした。

その後、「A Song For Japanプロジェクト」という活動を見つけ、下記の動画を見たのでした。

 

 

トロンボーン奏者としては誰もが知る超有名な奏者の演奏もさることながら、動画の後半、
がれきの山に途方にくれる方、自衛隊の方々の救助の様子。日本赤十字の方が、我が子と
同い年ぐらいの子どもと向き合ってる姿になんともいえない感情を抱きました。
そして、そのバックのメロディーに・・。

あの震災で、津波によって、どれほどの人命が奪われたのか。
そして、私たちと同じ楽器演奏者が演奏できない状況に追い込まれたのか。
どれほどの楽器が津波に流され使えなくなってしまったのか。

幸いにも私たちは難を逃れ、震災前と大きく変化無く演奏活動を続けていますが、
その私たちができることは何なのかを考えた時に、演奏家としてできること。
それは、被災者の事を思って演奏することではないかという、A Song for JAPANプロジェクト
の主旨に大いに共感し、今回演奏することになりました。

震災からすでに1年以上経過していますが、時間が経過したからこそ、あの震災を忘れること
はないよう、心に刻みながら演奏したいと思います。

少なくとも、トロンボーンパートのメンバーは一生忘れることがないでしょう。
それぐらい練習にも励んできました。
上手な演奏ではないと思いますが、気持ちのこもった演奏、心に響く音が出せるよう、
本番まで1週間。最後の追い込みをかけたいと思います。

Bass Trombone とだ