さて、せせコン本番まで残すところあと2回となった合奏練習です。
例年、この日は当日のゲネプロの関係上、2部の曲を練習することが通例となっており、
今年も2部の曲の練習となりました。さすがに本番間近、事実上最後の練習となる曲が
ほとんどとなるので、みなさん集中した中身の濃い合奏だったと思います。
さて、今年の2部曲、トロンボーンパートとしてはなんといっても「A Song for JAPAN」
ですが、それは後述するとして、これだけは言っておきたいという曲があります。
それは「みんなのうたセレクション」なのです。
この曲、メドレーでたくさんの曲(9曲)が出ててきて、楽団のメンバーもみなさん
お気に入りなようで、鳴りすぎのきらいがあると良く注意されていますが、
何故かトロンボーンパートは休みが多いのです。
練習番号でいうと、L~T手前までずっと、70小節ににも渡ります。
9曲中の実質ほぼ半分の4曲が休み(一応1曲は前奏まではあるのですが・・)。
ほんとに、忘れられたかのように・・・。
これ編曲者さんに本当に忘れられているような気がしてます。
それとも嫌われてる・・・?
オケ曲(例えばベートベン)や、オリジナル系の曲ではよくあることなのですが、
メドレー曲でここまで嫌われた?のは初めてですね・・。ちょっとスネてます。
編曲者さん調べたらトランペット奏者さんなんですね・・・・。
それはさておき、、
書かなくてはいけない「A Song for JAPAN」についてです。
この曲をやろうと言い出したのも私なので、やっぱり書いておかないといけないと思ってます。
昨年の3月11日、日本は空前の困難に見舞われました。「東日本大震災」。
当日、私は東京出張中で、関西圏におられただろう他のメンバーと違い、
震度5強の揺れに見舞われ,湾岸地域にいたため、津波が来るという情報の中、
携帯のワンセグ情報のみを頼りに右往左往した経験をしました。
翌日にはせせらぎでのコンサート本番(結果的には延期になりましたが・・)
も控えており、これは帰れないなとあきらめかけてたのですが、
いろんな幸運が重なり、奇跡的に当日中に京都まで帰宅することができたのでした。
その後、「A Song For Japanプロジェクト」という活動を見つけ、下記の動画を見たのでした。
トロンボーン奏者としては誰もが知る超有名な奏者の演奏もさることながら、動画の後半、
がれきの山に途方にくれる方、自衛隊の方々の救助の様子。日本赤十字の方が、我が子と
同い年ぐらいの子どもと向き合ってる姿になんともいえない感情を抱きました。
そして、そのバックのメロディーに・・。
あの震災で、津波によって、どれほどの人命が奪われたのか。
そして、私たちと同じ楽器演奏者が演奏できない状況に追い込まれたのか。
どれほどの楽器が津波に流され使えなくなってしまったのか。
幸いにも私たちは難を逃れ、震災前と大きく変化無く演奏活動を続けていますが、
その私たちができることは何なのかを考えた時に、演奏家としてできること。
それは、被災者の事を思って演奏することではないかという、A Song for JAPANプロジェクト
の主旨に大いに共感し、今回演奏することになりました。
震災からすでに1年以上経過していますが、時間が経過したからこそ、あの震災を忘れること
はないよう、心に刻みながら演奏したいと思います。
少なくとも、トロンボーンパートのメンバーは一生忘れることがないでしょう。
それぐらい練習にも励んできました。
上手な演奏ではないと思いますが、気持ちのこもった演奏、心に響く音が出せるよう、
本番まで1週間。最後の追い込みをかけたいと思います。
Bass Trombone とだ