『Danny Boy』2023年2月27日
『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ原作)を劇場で観たのは、
もう10年くらい前になるでしょうか。
「えっ?この映画、何やったん?」
終映後、そんな声を聞いた覚えがあります。
勤務先の所属部の当時の部長のM上さんも映画好きで、
観たことのある映画が結構被るのですが、
やはり劇場で同様の声を聞いたそうです。
結局、「桐島くん」は出てこないからでしょう。
だけど、M上さんも私も、
そんなことはちっとも思わず、
話題に上る桐島くんの周りで渦巻く物語が、
こんなにも面白いのかと語り合ったのを思い出します。
(ちなみにM上さんは今でも毎年せせらぎコンサートを聴きに来てくださいます。
ご先祖様は瀬戸内の水軍の将だったそうです)
(脱線ついでに、社にはK戸という後輩もいます。
幕末に長州で活躍したあの人の子孫です)
先日、『少女は卒業しない』を観ました。
原作は同じく朝井リョウさんです。
主演は河合優実さん。
間違いなく絶品の映画だと思って観に行ったのですが、
期待を大きく上回る作品でした。
今年に入って未だ2か月経っていないのに、
『銀平町シネマブルース』と並んで凄い作品に出会ってしまいました。
『少女は卒業しない』で重要な役割を果たすのが『ダニー・ボーイ』です。
またの名を『ロンドンデリーの歌』。
グレインジャーが吹奏楽用に編んだのは『デリー地方のアイルランド民謡』というタイトル。
せせらぎでも演奏したことがあります。
難曲揃いのプログラムの中にあって、
『デリー地方のアイルランド民謡』は譜面のオモテだけ見れば難しくありません。
当時のせせらぎコンサートを目指す練習では、
どうしても後回しになりがちでした。
が、気持ちが込めやすいこともあるからでしょう、
合奏練習が少なかったにもかかわらず、
本番はとてもイイ演奏になりました。
映画の中での『ダニー・ボーイ』は、
軽音楽部の卒業ライブの取りで、
卒業生がアカペラで歌います。
映画の途中でも少しだけ出てくる『ダニー・ボーイ』が、
ラスト近くなって繋がります。
公開されたばかりの映画なのでここまでにしときますが、
とにかく心を持っていかれます。