譜面レイアウト2014年12月11日

かつて楽譜は手書きするものでした。
さすがに出版される楽譜は印字されたものが多かったですが、
中には手書きの出版譜もありました。

作曲者が間違えるのか出版社が間違えるのか分かりませんが、
音符のミス・プリント(いわゆるミスプリ)が沢山ありました。
それを一つ一つ直していく作業から逃れることができませんでした。

それがコンピュータ浄書が当たり前となってきて、
ミスプリは激減しました。

作曲の仕事というのは、
五線2~4段くらいのピアノ譜を作り、
それをいろんな楽器に割り振ってスコアを作り、
スコアから各楽器ごとのパート譜を抽出していく、
という流れになると思います。
大元のピアノ譜が間違っていたらしようがないですが、
そこからはいわゆる「コピペ」となるため、
途中の過程での写譜ミスというのは考えられないのです。

それでも、パート譜抽出後、作曲者がスコアの手直しを行ったとして、
パート譜の手直しを忘れたらこちらは間違ったままになります。
逆にパート譜だけ手直ししたらスコアは置き去り。

いかにコンピュータを使うといっても所詮は人間の行う仕事。
いつまでも楽譜の校訂作業は続いていくのです。。。

実は上記にも増して困っているのが、
レイアウトのなっていない譜面が増えていること。

多くの人がコンピュータで楽譜を書くことができるようになったのは便利なことですが、
その反面、
多くの人や会社が楽譜を出版するようになって品質が低下しているように思います。

かつては出版社の「プロ」がきちっとレイアウトしたものが出版されていましたが、
今ではそこのところが疎かになっている楽譜が多いです。

1st.フルートと2nd.フルートを一段にまとめたような楽譜を例にとります。
1st.が上部音域、2nd.が下部音域を受け持っている場面ならまず問題ありません。
1st.が下にもぐって2nd.が上に行くときに問題が生じます。
同じ拍でも、場合によっては少しずらして書かないとどっちの音か分からないのに、
ピタッと揃えて書かれると読みづらくてしかたないのです。

スラーが音符と重なったり、
クレッシェンドの松葉マークの起点が楽器によってバラバラだったり、
いろんなケースが…

道具は変わっても、やはり最後は人の力なのではないでしょうか。