『黒田如水』を読む2014年9月1日

吉川英治著『黒田如水(じょすい)』。
吉川英治さんの全作品を網羅した「吉川英治文庫」の91冊目。
かつて講談社から刊行されていました(おそらくもう絶版ではないでしょうか)

昭和51年3月10日に第2刷発行されたものを、
私は昭和53年4月1日から5月3日にかけて読んでいました。
ネームスタンプ、蔵書印とともにタイムスタンプも押してあるので確かです。
中学1年生になりたての頃。
中学校に入学し、吹奏楽部を見学し、やがて正式入部する、
という正にその時期に読んでいた本です。

この本を読んだ記憶は確かにあります。
が、内容は全く覚えていません。

今ちょうど大河ドラマ『軍師官兵衛』を放送しているので、
少年時代に読んだ小説『黒田如水』を読み返してみたくなったのです。

ちなみに、「如水」という号をいつから、どのようなきっかけで名乗りだしたのか知りませんが、
とにもかくにも黒田如水=黒田官兵衛です。

『黒田如水』は官兵衛30歳から36歳の頃に絞り込んだ小説でした。
織田と毛利に挟まれ、明らかに毛利の影響下に置かれている播磨の地で、
必ず織田の時代が来ることを説いて回り、
竹中半兵衛とともに秀吉の麾下として戦い、
織田を裏切った荒木村重の奸計により伊丹城に一年以上囚われ、
忠臣によって救出され復活する。
特に囚われの身になってなお強じんな精神力を失わなかったことを中心に描かれていました。

なので、中国大返しとか、
現在放送中の九州攻めとかには話が至りません。

そりゃ、小学7年生とも言っていい時期に読んでも頭に残りませんわな。
今ならありがたいことに、
官兵衛=岡田准一さん
栗山善助=濱田岳さん
母里太兵衛=速水もこみちさん
秀吉=竹中直人さん
竹中半兵衛=谷原章介さん
荒木村重=田中哲司さん
などとイメージするとスラスラ読めていきました。

大河ドラマを観ていると、
やっぱり官兵衛役の岡田准一さんが凄くいいと思うんですね。
鍛えてるな、研究してるな、っていうのがよく伝わってくるし。

また、黒田家の家臣団の結束たるや、これまた凄いですわな。
昔から好きな濱田岳さんの味わいたるや素晴らしいし、
意外にも速水もこみちさんの武者振りがとてもいい。

小説を読みながら彼らの姿を思い浮かべると、
さらに深みを増すような感がありました。