映画『春を背負って』を観る2014年6月18日
木村大作監督の『春を背負って』。
『剱岳 点の記』の印象が鮮烈だっただけに、
正直言って『春を背負って』ではそこまでの「映像的」な衝撃は受けませんでした。
いや、もちろん、凄い映画なんですよ。
ただ、『剱岳 点の記』があまりにも凄過ぎたんで。
『春を背負って』で強烈な印象を残したのは、
池辺晋一郎さんの音楽でした。
アバン(タイトルが出るまでのところ)で、
山並みの映像をバックにしながら、
主だった出演者やスタッフの名前が「縦書き」で紹介されていきます。
古き良き昭和の日本映画を観ているようで、
私にとってはとてもワクワクするスタート。
そのバックで流れるメインテーマを聴いて、
「決まった、サントラ買って帰ろ」と思いました。
(実際、それを聴きながら「ひとりごと」書いてます)
映画音楽はシンプルでなければならないと言われます。
たった2時間の中にいくつもメロディが出てきては、
統一性がなくなり散漫な印象になるからだそうです。
『春を背負って』のメインテーマは、
その後も変奏を加えながら何度も繰り返されます。
アバンで強烈な印象を残した聴き取りやすいメロディが、
映画全体を引き締めているかのようです。
ただ、惜しむらくは音楽が勝ちすぎていることでしょうか。
以前、『おくりびと』でも久石譲さんの音楽が勝ちすぎている、
という評価をよく耳にしました。
確かに、久石譲さんの音楽の印象は強烈でした。
が、主演のモックンがそもそもチェロ奏者という設定だし、
彼の弾く旋律が生き別れとなった父親との繋がりとなっていたし、
私にとっては音楽が勝ちすぎているという感じはありませんでした。
『春を背負って』では、
映像に寄り添うような音楽でも良かったのではないか、と。
いやいや、私が言いたいのは、
曲の良しあしではなく、
音楽を使いすぎていたんじゃないかということ。
もっと、要所要所に絞り込んだ使い方でも良かったのでは…
あっ、済みません。
勝手なことを申しました。
「ひとりごと」です、聞き流してください。。。