付点8分音符+16分音符2014年5月19日

苦労しているリズムがこれ。
付点8分音符+16分音符の組み合わせです。

140517 付点8分音符+16分音符+4分音符

言葉ばかりだと分かりにくいので、
音符を書いてみました。

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1989年に開いた「音楽の病」というコンサートで
レスピーギ作曲の『交響詩「ローマの松」より “ アッピア街道の松 ” 』を演奏したとき、
バス・クラリネットのエキストラとして高校の同期だったN茂くんに出演してもらいました。

バス・クラリネットのソロには、
付点8分音符+16分音符の組み合わせが頻繁に出てくるのです。
N茂くんは、この16分音符を思いっきり後ろに寄せて演奏するのです。
上の図に例えれば、
4分音符に凄く近いタイミングで発音することになります。

「なんでそんなに後ろ寄せで吹くの?」
と訊くと、
「先生が『16分音符は次の音符の装飾音のようにに吹け』と言わはったからや」
という答えが。
彼は高校卒業後、音楽大学に進んだのです。

「“ アッピア ” はテンポの遅い曲なんやから、1/4拍がハッキリ分かるように演奏してくれへん?」
とお願いし、
「OK、OK、分かった分かった」
という返事でしたが、
結局、極端な後ろ寄せはあまり改善されなかったように記憶しています。

それ以来、
16分音符が16分音符としてハッキリ聴こえるかどうかが気になるようになりました。

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今回、『シンフォニア・ノビリッシマ』や『アフリカン・シンフォニー』を演奏していて、
N茂くんの言葉の意味がようやく身に沁みて分かってきました。

16分音符は、次の音符の装飾音のように演奏したほうがイイ感じに聴こえる、と。

また、その前の付点8分音符も、
ベタッとした、テヌートがかった演奏にならないよう、
カラッとした、少し短めの演奏を狙うほうがイイ感じ。

かと言って、『オリンピック・マーチ』のトリオの柔らかいメロディを演奏する際、
16分音符のタイミングを装飾音的にイメージするのは良いとしても、
付点8分音符を短くしては興ざめだと思うし、
“ アッピア街道の松 ” の16分音符は、やはりハッキリ聴こえてほしい。

「こうすれば正解!」ってものはなく、
その時々で最善と思えるものを探り出していく仕事が延々と続くのでしょうな。