アルト・サックスについて思うこと2014年4月28日

管弦楽から弦楽器を抜いたら吹奏楽になる、
という言い方がよくされます。
まあ、ざっくり言えばそうなんですが、
吹奏楽では、管弦楽ではあまり使われない楽器が編成されます。
その代表格がサックスとユーフォニアムでしょう。

その中のアルト・サックスのことがふっと気になったので、
今日はそのことについて書いてみたいと思います。

アルト・サックスとホルンとで、
旋律に対してもう一つあるメロディ=対旋律を奏でることが結構あります。
私自身がホルン奏者だったこともあって特に思うのですが、
アルト・サックスがなくてホルンだけで担当するとしたら、
しんどくてしんどくて大変です。

トランペット、コルネット、クラリネットなんかと一緒に、
主旋律を奏でることが多いのもアルト・サックスの特徴です。
とても華やかです。

高音から低音までカバーするサックス群のリーダー的存在でもあります。
アルト・サックスより高音域にはソプラノ・サックスやソプラニーノ・サックスもありますが、
これらはどちらかというと特殊編成といった感じ。
常時編成されるものではありません。
(ソプラニーノに至っては、編成される曲を演奏したことがありません)

こうして考えてくると、
アルト・サックスって「ハブ」やなぁ、と思うのです。
「ハブ」といってもヘビみたいな噛みつくアイツではなく、
「ハブ空港」とか「ネットワークのハブ」とか言うときの「ハブ」です。

管弦楽のコンサート・マスターといったら、
必ず第一ヴァイオリン最前列の、
客席に一番近い場所に座る人。
それ以外のコンマスは見たことがありません。

吹奏楽でも第一クラリネット最前列という場合が多いです。

が、東京佼成ウインドオーケストラでは、
アルト・サックスの田中靖人さんがコンマスだし、
その前もアルト・サックスの須川展也さんでした。
(ちなみに、私が取材した16年前、
 副コンサート・マスターはテューバの小倉さんでした)

シエナ・ウインドオーケストラも、
確かコンマスはアルト・サックス奏者の方だったように思います。

TKWOもシエナも、
なぜアルト・サックスの中からコンサート・マスターが選ばれているのか、
私は知りません。
たまたま適任者がアルト・サックス奏者にいたから、
ということかもしれません。

が、もしかすると、
アルト・サックス「だから」かも。