演奏したい、と貪欲に思う気持ち2014年4月26日

野球なら9人。
サッカーなら11人。
ラグビーなら15人。
もちろんベンチ入りの選手を加えたらもう少し多くなりますが、
団体競技のスポーツでは、
出場できる人数には制限があります。

吹奏楽でも、コンクールに出場するとなると人数が限られます。
(一般の部は無制限だったかな?)
なので、部員が100人もいる吹奏楽部は大変です。
在学中に一度もコンクールの舞台を踏めない人も出てくるわけです。
コンクールだけが本番の舞台ではないとはいうものの、
やはり出たいでしょう。
葛藤がある筈です。

ふと、我が身(せせらぎ)を振り返ってみます。
楽団員ならば、基本的に誰でも本番の舞台に上がることができます。
制限がないというのはありがたいことです。

逆に、本番に出ることができない、ということもあります。
「仕事の都合で今回は出られへんねん。ゴメンな…」
というのを責めることはできません。

「仕事の都合で今回の本番に急に出ることができなくなってしまった!」
という事態が発生したとします。
あるいは、急病で出演を回避せざるを得ないということだってあるかもしれません。
大変です!
みんなで知恵を絞って、パート割のやり直しです!

さらに大変なのが、
ソロを受け持っている人が出られなくなった場合です。
なんてったって「ソロ」ですからねぇ、
たった一人で楽団を代表しなきゃならんのですよ。

…ってなことがあったら大変だなと考えているとき、
ふと「人数制限」のことが思い浮かんだのです。
出られない選手や楽員はきっと、
「次こそは!」と思って練習するでしょう。
それがチーム力を底上げするんだろうな、と。

ピッコロ&フルートのM井さんから、
「『故郷』でピッコロが手隙の箇所ではフルートを吹いてるけど、いい?」
と相談を受けました。
全くもって問題なしだよ!と返しました。

ソロのバックアップとは少し話が違うものの、
演奏への積極性というか、貪欲さというか、
素晴らしいと思いました。

指揮者からの指示待ちでいるよりも、
まずは自らやってみて、
「こんな感じなんやけど、どう?」
という風にしてくれるほうが圧倒的にやりやすいんです。

パンフレットに載っている映画監督のコメントでも、
「あの俳優さんは、こちらが何か言う前にいろんな演技を見せてくれる」
と書いてあったりします。
「それがとっても有難い」
というのが監督さん共有の思いのようです。

指揮者だって同じです。

「人のソロを取ってやる!」というバリバリの気持ちを見せられると、
一般バンドとしてはチトしんどい面もなくはないですが、
「実はこっそり練習してますねん。いつでも代わりに吹きますよ」
くらいの気持ちがあるといいなぁと思います。
ソリストが仕事の都合で練習に来られないときなんか、
自らソロしてくれる人がいると、
とても嬉しいのです。