『ゼロ・グラビティ』に度肝を抜かれる2014年1月21日

映画『ゼロ・グラビティ』。
確か昨年の11月から公開されていたと思います。

テレビのCMや映画の予告編で、
サンドラ・ブロックが宇宙空間に一人放り出されるシーンをご覧になった方も多いのではないかと思います。

観に行きたいと思いつつも、
「いやいや、今日は体調がもうひとつやからやめとこう」
とか、
「ちょっと時間が合わへんから、また今度にしよう」
などと自分に言い訳して、
なかなか行こうとしませんでした。

宇宙空間で一人ぼっちって、
きっとこの映画は怖い。
ぶちのめされる。
そんな予感があったんでしょうね。

が、遂に、
体調もバッチリだし、時間もうまく作れたから、
思い切って観に行きました。

そして度肝を抜かれました!
予感は当たることになるのでした…

(この先、ネタバレも書きますので、
 もしもこれから『ゼロ・グラビティ』をご覧になる方は、
 読まないほうがいいかも…)

ハッブル宇宙望遠鏡にドッキングしたスペース・シャトルが、
超遠景から近景に、ゆっくりゆっくりとアップされてきます。
ホント、かなりの時間をかけて。
ミッション・スペシャリスト役のサンドラ・ブロックは、
ハッブル宇宙望遠鏡の修理をしています。
そこにスペース・デブリの大集団が襲来し、
命綱がぶち切られたサンドラ・ブロックは、
宇宙の真っ暗闇の中に放り出されてしまいます。

と、ここまでワンカットなのです!
彼女がくるくる回転しながら虚空をさまようさまが遠景に切り替わるまで。
20分くらいあったと感じました。

かつて、『トゥモロー・ワールド』という映画で、
戦場からの脱出を図るシーンもワンカットで描かれ、
それを観た私は20分くらい経っているように感じました。
が、実際は10分弱だったと聞きます。
なので、『ゼロ・グラビティ』のファーストカットも、
実は10分くらいなのかも知れません。

VFX全盛のご時世ですから、
何とでもなるのかもしれません。
にしても、凄い撮影です。
どうやって製作したのでしょうか。

彼女を助けにやってくるのが、
スペース・シャトルでの同僚を演じるジョージ・クルーニー。
何とか助けられたサンドラ・ブロックは、
ジョージ・クルーニーの導きでスペース・シャトルに戻ってきます。
が、船は無残なまでに破壊され、
船内にいた人たちは全員死亡。
船外にいた一人もデブリの直撃を受け死亡。
そんな訳で、この映画の出演者は二人だけなのです。

ギャラを極限にまで抑え込むことができた筈。
その分、VFXに力を入れることができたのでしょうか。

スペース・シャトルでの地球帰還は不可能なので、
二人は宇宙遊泳でISS(国際宇宙ステーション)に向かいます。
ジョージ・クルーニーは、サンドラ・ブロックがISSに辿り着く補助をして、
自らは宇宙空間に漂流する道を選びます。
ここからは、ほぼサンドラ・ブロックの一人芝居です。

ISSにドッキングしていたソユーズも損傷しており、
やはり地球に戻ることはできません。
今度は中国の宇宙ステーションに向かい、
神舟で大気圏突入。
遂に生還します。

一瞬たりとも目を離すことができない、
緊張感みなぎる映画でした。
文字通り、手に汗握りましたし、
全員汗びっしょりになりました。

邦題は『ゼロ・グラビティ』=無重力ですが、
原題は『GRAVITY』。
重力という意味に加え、
「重大さ」「容易ならぬこと」という意味もあります。
無重力空間での出来事なので『ゼロ・グラビティ』もいいですが、
緊急事態という意味で『グラビティ』のままでもいいような気が。
また、映画のラストシーンで、
地球に辿り着いたサンドラ・ブロックが大地に足を踏みしめ、
ゆっくりゆっくり立ち上がります。
(無重力の宇宙から帰ってきた宇宙飛行士は筋力が衰えているため、
 立ち上がるのも大変だと聞きます。
 リアルな演技です)
サンドラ・ブロックは重力を感じ、
地球に還ってきたことを実感したのだと思います。
そんな意味からもやはり『グラビティ』のままで良かったんじゃないかなァ~

上映後、席を立つとき、
太腿にもの凄く重さを感じたのでした。

※※※

宇宙空間からのサバイバルを描いた物語ですが、
いろいろと考えさせられることの多い映画でした。