『下町ロケット』を読む2013年10月25日
お化けみたいな視聴率を叩き出したTBSのテレビドラマ『半沢直樹』。
サラリーマンのドラマで、あまりに身につまされる思いがしてしんどかった。
そんな風に書くと、私自身もスーパー・サラリーマンのように思われるかも知れないが、
実際の私は「なんちゃって(※)サラリーマン」なのだ…
(※)なんちゃって、とは、「適当な」とか「いい加減な」という意味で使わせてもらっています。
もはや死語かも知れませんが…
でも、本当に観ていてしんどかった。
つまり、サラリーマンなら何がしか心に引っ掛かるものがあるドラマだったのだと思う。
近所の酒房「たなかや」が、
何のご縁か知らないが原作者の池井戸潤さんと知り合いだそうだ。
世間は狭い。
『半沢直樹』を全話観たのでもあるし、
ここは一つ、池井戸潤さんの本を何か読んでみようと思い立った。
何の気なしに読み始めたのが『下町ロケット』だ。
(直木賞受賞作とは読み終わるまで知らなかった)
どこか『半沢直樹』に似ているな、と思いながら読み進んだ。
理不尽な横槍や、明らかな営業妨害が挟み込まれることなど。
しかし、東京都大田区の中小企業がロケットの核となる部品供給に社運を賭ける様を観ていると、
京都市の名もない市民バンドが何とかいい演奏をしようともがいている様とだぶってくる。
モノ作りに賭ける情熱は同じなのだと思う。
物語の最終盤を読んでいたのは、出勤の阪急電車の車中。
思わず号泣してしまった。
クロスシートならまだ良かったが、ベンチシートの車両だった。
変な奴だと思われただろうな、いつものことだが…
何か、心に火がついたような感じがする。