文化とは?2013年10月19日
酒房「たなかや」に、
スイスからのお客さんが来ていました。
私は途中参加だったのですが、
「漆器」についてのお話だったようです。
しきりに「日本文化」を賞賛しておられたのですが、
はてして「文化」とは何ぞや?
と、ふと考えてしまったのでした。
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私が高校生だった頃、
『超時空要塞マクロス』というアニメーションが時代を席巻しました。
圧倒的な軍事力をもって地球に来襲した異星人・ゼントラーディが、
なぜか非力な地球に手を出すことができないのです。
それは、地球人が「文化」を持っているからでした。
彼らには、「文化」を持つ種族と関わってはならない、
という言い伝えがあったのです。
ゼントラーディは戦闘をするためだけに生み出された人工的な種族で、
「文化」というものを知らされていないのでした。
“ 歌 ” すらも知らない彼らは、
地球人のアイドル歌手リン・ミンメイの歌声に魅せられ、
次第に戦う意欲をなくしていきます。
遂には戦争をやめ、
地球人と共生する道を選びます。
“ 歌 ” の力で戦争が終結するという、
画期的なストーリーだったのです。
(ただし、なおも戦おうとする者たちに、
歌を聴かせてひるませておきながら、
反応兵器という呼称を与えられた、
実は核兵器を浴びせて殲滅するという、
恐ろしい設定もあったのですが…)
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『超時空要塞マクロス』で、
ゼントラーディが文化と触れ合ったときの衝撃が、
“ カルチャー・ショック ” という言葉で表現されました。
「たなかや」で日本文化に触れたスイス人の青年も、
きっと “ カルチャー・ショック ” を受けたのだと思います。
では、“ ショック ” を受けるほどの“ カルチャー ” って何なのでしょう?
私は、“ 心騒ぐもの ” ではないかと考えています。
「文化」を横文字で書くと「culture」。
「agriculture」は農業。
土を耕すのが農業なら、
文化とは、心を耕すもの、と言えなくもないのでは。
せせらぎも、
小さな力かも知れないけれど、
「文化」に関わる活動をしているのだ。
と、思いたいですな。