『砂の器』のサントラを聴く2013年10月8日

松本清張原作『砂の器』。

映像作品としては、
加藤剛さんが殺人犯のピアニストを演じ、
丹波哲郎さんが彼を追い詰めていく刑事を演じた
野村芳太郎監督の松竹映画『砂の器』(1974年)が最も有名であろう。

2004年1~3月にTBSで放送された『砂の器』。
リメイクという訳ではないと思うが、
上述の映画に対する尊敬の念に満ちた作品だった。
(『半沢直樹』のディレクションで一躍脚光を浴びた
 TBSの福澤克雄さんも演出陣の一人として名を連ねている)
2003年12月に東京・名古屋・大阪でスタートした地上波デジタル放送。
その草創期を飾る作品として制作された筈だ。
画角16:9、ハイヴィジョンの映像に圧倒された記憶がある。

が、何よりも凄かったのは音楽だ。
千住明さん作曲の『ピアノ協奏曲「宿命」』。
ドラマに寄り添い、重厚な世界観を紡ぎ出していた。

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ピアニスト和賀英良(中居正広さん)のもとを、
少年時代にお世話になった三木謙一(赤井英和さん)が訪ねてくる。
が、過去を封印して生きてきた和賀英良は、
それが表沙汰になるのを恐れ、三木謙一を殺害。

折りしも『ピアノ協奏曲「宿命」』を作曲中だった和賀。
ピアノと管弦楽の重厚な響きの中、
今西刑事(渡辺謙さん)の捜査によって和賀の半生が少しずつ明らかにされていく。

和賀自身のピアノ演奏により初演された『ピアノ協奏曲「宿命」』。
演奏が終わり舞台袖に引き揚げてきた和賀は、
すべてを悟ったように今西刑事に逮捕される。

しかし、彼が連れて行かれたのは警察ではなく、
父・本浦千代吉(原田芳雄さん)のもとだった、彼が過去を封印するもととなった…

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JEUGIA四条店にフラッと立ち寄ったとき、
「永遠のサントラ999」というCDシリーズがワゴンに積まれているのが目に留まった。
古い映画やドラマ、選りすぐりのサウンドトラックを999円で売っているのだった。

その中に『砂の器』のサントラがあったので大喜びで買って帰った。
聴いて、圧倒された。