オーバーブロー2013年9月21日

台風一過とはよくいったもので、
ここ数日、雲ひとつない秋晴れが続いています。
最高気温も、いって30度ちょっと。
最低気温は10度台まで下がるようになりました。
暑さ寒さも彼岸まで、とはよくいったものです。

しかし、
阪急電車の十三(じゅうそう)から梅田に至る鉄橋の上から眺めていると、
今でも淀川の水はまっ茶色。
水量もかなりの多さ。

桂川の鉄橋からも同様。

土日の桂川の河川敷では、車窓から、
よく少年野球の練習風景を見ることができました。
内野にちょいと毛が生えたばかりのグラウンド、
いや、広場といった感じが微笑ましい。
一瞬で通り過ぎる風景ですが、
私はいつも出勤時の楽しみとしていました。

が、先日の台風18号の大雨による増水で、
河川敷まで水が上ったのでしょう、
グラウンドには濁流の爪痕が痛々しく残っています。
あんなにガタガタになってしまっては、
トンボをひくくらいのことでは整地できないと思います。
野球の指導者の方々は、
どのようにして復旧しようと考えておられるのでしょう…
これから大きな苦労が待ち構えていることは確かです。

さて、台風18号の傷痕を見ながら、
私はオーバーブローについて考えました。

中学校でホルンを始めた私は、
「もっと高い音が吹けるようになりたい、
 もっと大きな音が吹けるようになりたい」
と思うせいで、
楽器に必要以上の息を吹き込んでいました。

これで効果があったかというと、その逆でした。
むしろ鳴らなくなっていきました。
一番良くなかったのは、
アンブシュア(簡単にいうと楽器を吹くときの唇の形)が崩れてしまったことです。

これは長きに渡って自分自身を苦しめました。
高校の吹奏楽部で、
「アンブシュアが悪い、高い音が出ない、音色が汚い」
と指摘を受け、
矯正するのにかなりの時間を要しました。
(矯正しきれたかどうかは怪しいものですが…)

この矯正過程で大切だったことの一つが、
「必要以上に息を入れない」ことだったのです。
いわゆるオーバーブローの防止です。

考えてみれば簡単なことで、
ホルンの吹込管はとても細いのです。
金管楽器の中で一番細い。
その太さを超えた息を入れようとしても無理なのです。
細い息を流してあげようと意識しないと、
オーバーブローの危険が高まります。

自然の力、河川のオーバーブローはコントロールできません。
が、管楽器に流す息はコントロールできる筈です。
矯正には時間を要するかもしれませんが、
心掛け次第で少しずつ良くなっていくと思います。

プレイヤーの皆さん、
ご自身の奏法が大丈夫かどうか、
少し立ち止まって観察してみてはいかがでしょう?