『宇宙戦艦ヤマト2199』完結2013年8月27日

8月24日(土)、最終章となる第七章の劇場公開が始まった。
テレビでの最終話放映が9月29日(日)なので、
映画館に足を運べば約一ヶ月早く結末を知ることができる。

1974年の『宇宙戦艦ヤマト』オリジナル・シリーズは、
当時のアニメーションの常識を覆す作品だったが、
『宇宙戦艦ヤマト2199』もまたそんな作品だった。

劇場公開用オリジナルのアニメ作品は別だが、
テレビ用のアニメは、
当たり前だけれども、
まず、テレビで放送される。
それを再編集したり、再構成したりしたものが、
あるいはテレビ・シリーズの続編が映画館で上映される、
というのが順序だ。

が、『ヤマト2199』は、テレビ放送を目論んだ作品だが、
数話ずつまとめての劇場公開が先行した。
内容的には同じものが劇場を追いかけるようにテレビ放送され、
遂に映画館のほうが先に最終回を迎えた。
私の知る限り、こんな例はない。

そんな訳で、映画館で結末を観てきた。
遂にヤマトは…

ああ、しゃべりたい!

我慢できない!

なので、今日はしゃべっちゃいます!

これから劇場で第七章を観ようとしていらっしゃる方、
テレビで1話ずつゆっくり観ていこうとしておられる方、
ネタバレを書きますので、
ここから先は読まないことをお勧めします(パンフみたいですが)

※※※

『ヤマト2199』は、
オリジナル・シリーズを「リメイク」した作品である。
だが、随所に新たな設定やストーリー展開もあるので、
「結末」が変更されているかも知れない。
私の最大の注目点は、ここだった。

1974年のオリジナルでは、
ガミラス星での激闘で、
ヤマトはガミラスを滅ぼしてしまう。
イスガンダル星にたどり着いたヤマトは、
放射能除去装置を受け取って地球に帰還、
地球は元の青さを取り戻す。

1975年に朝日ソノラマから発売された小説では、
もはや地球を元の姿に戻す方法はなく、
地球人が生き延びるためには、
環境の激変した地球に合わせて人類を人体改造するしかないという設定。
また、ガミラスは、
イスカンダルを守るために生み出された人工生命体という設定。
ガミラスを打ち破るにはイスカンダルを破壊するしかなく、
ヤマトはイスカンダルに特攻。
古代進と森雪の二人だけが人体改造の方法とともに地球に帰還。

キムタクが主演した実写映画では、
地球帰還を目前にしたヤマトの前にガミラス艦が立ちはだかり、
古代進操艦のもとヤマトはガミラス艦に特攻。
放射能除去「能力」を授けられた森雪以下数名のみ地球に帰還。
地球は元の青さを取り戻す。

さて、『ヤマト2199』ではどうなったかというと、
ヤマトはガミラスを滅ぼすようなことはせず、
逆にガミラス星に落下しようとする巨大な物体を波動砲で破壊、
ガミラスを救う。
イスカンダルでコスモ・リバース・システム(オリジナルでは放射能除去装置)を受け取り、
ヤマトは地球に帰還。
映画館の大スクリーンに青き地球が復活し、
物語は完結した。

ガミラスを打倒することがヤマトの目的ではない。
地球を救うことが使命であった。
なのに、オリジナルでは、
生き延びるためとはいえ、
ガミラスを滅ぼしてしまった。
そのことに主人公・古代進は大いに悩む。

『ヤマト2199』では、
ヤマトはガミラスを救った。
ストーリー上、大きな変更だ。
でも、私はそれで良かったと思う。

地球人とガミラス人(の一部ではあるが)との間に友情も育まれた。
ガミラスの女性パイロットのメルダは、
古代進に恋をしていたようだ…

オリジナルでは特に問題とされなかった波動砲だが、
『ヤマト2199』では “ 大量破壊兵器 ” として大いに問題視される。
イスカンダルでコスモ・リバースを受け取る条件として、
波動砲が封印されることとなった。
波動エンジンと直結した波動砲発射システムが
コスモ・リバース・システムに改造されたので、
ヤマトそのものがコスモ・リバース・システムに生まれ変わったのである。
兵器・戦艦が、命の箱舟になったのだと思った。

「西暦2199年12月8日 宇宙戦艦ヤマト、地球に帰還」
というテロップが表示されたあと、
先述の青き地球の姿が映し出されて物語は終わる。
その後のことは想像に任されているのだが、
ヤマトはきっと緑のモニュメントとして大地に横たわっているのだろう。