久々の合奏2013年8月25日

8月9日(金)は年度初めの定例総会、
8月16日(金)はお盆休みのため、
8月23日(金)は久しぶりの合奏となりました。
(せせらぎでは8月~翌年7月を「年度」としています。
 年度終わりの7月に定期演奏会である「せせらぎコンサート」を開催し、
 年度頭の8月に定例総会を開くという流れです)

約3週間、実は私はあまり音楽の準備をしておらず、
どちらかというと音符よりも活字を読んでいました。
読んだ本の中で印象に残ったのが、
阪神、オリックスで選手・コーチ・監督として活躍された
岡田彰布(あきのぶ)さんの本でした。

「心技体」が大切だといわれるが、
岡田さんが重要視する順番は
「技心体」だと書いてありました。
まずは技術を身につけることが大事だと説いておられました。

技術を磨いていくと、
練習が面白くなって自然に練習量が増え、
心も体も鍛えられていくという論理です。
よく、体力をつけることばかり優先させる風潮があるけれども、
まずは技術を磨かなければ通用しない、と。

もちろんこれは野球の話ですが、
自分自身の吹奏楽経験に置き換えてみると、
はたと思うことがありました。

中学生の頃、
ホルンの練習といえば、
腹筋運動をすることだったり、
楽器を持ったら32秒ロングトーンだったり、
やたらと体をいじめるようなことばかりやっていたのです。
体力重視の練習をすればホルンも上手になる、
勝手にそう思い込んでいたのですが、
一番吹きやすい筈の中音域が全く鳴らなかったり、
全然息が続かなかったりしたのでした。

高校生になっても同じようなペースで練習していました。
ちょうど今、せせらぎで採り上げている『交響的断章』を、
コンクールでの演奏に向けて練習中で、
その個人練習していたとき、
先生に指導されました。
難しくて長いパッセージをひたすら何回も何回も練習していたのですが、
もっと短く区切って、
「音色は美しいか?」
「唇の感じはどうか?」
「腹式呼吸はちゃんとできているか?」
「フィンガリングは力まずにできているか?」などなど、
よ~く自分を観察しなさい、
という指導でした。
今思うと、
基本的な技術習得に努めなさいと言われたのだと思います。

『交響的断章』の演奏で先生のご指導の成果があったかどうかはよく分からないのですが、
その数ヵ月後に『国民の象徴』というマーチを演奏した際、
数ヶ月前の自分と明らかに変わっていることに気付いたのです。
それまで汚くて嫌気がさしていた自分の音色が生まれ変わっていたし、
ビックリするくらい音量が上がっていたし、
修飾音という細かい音型がピタッとはまるようになっていたし、
何よりもバテなくなっていたのです。

今、岡田監督の言葉を読み、
私自身は「なるほど!」という感じなのです。

8月23日(金)の合奏では、
実はこんなこと、
つまり基本的な演奏技術がうまくいっているか、
に耳をそばだてながらタクトを振っていました。

『交響的断章』も、
岩井直溥さんの『復興への序曲「夢の明日に」』も、
難しいからこそ “ 基本技術 ” を疎かにしてはいけないのだと、
逆に言えば “ 基本技術 ” を疎かにしているとすぐにバレる曲だと思うのです。

これらの曲を合奏するのはもうちょっとの間でしょうが、
基本を大切に取り組めたらいいなと思っています。