悩みに悩んだテンポ設定~サウンド・オブ・ミュージック2013年7月12日
映画をDVDで観て以来、
メドレーであるこの曲のそれぞれの箇所のテンポ設定をどうすべきか、
悩みに悩んできました。
まず最初の『サウンド・オブ・ミュージック』。
映画ではジュリー・アンドリュースが山の中で歌い上げる名曲ですが、
速いほうがいいのか、ゆっくりめのほうがいいのか悩みました。
山々の情景を思い浮かべながら、
どちらかというとゆっくりめで歌いやすいテンポ設定でいこう、
と決心したのが本番前の木曜日。
しかし、
一旦テンポを落としたあと、
楽譜の指定では元のテンポに戻すとなっているところを、
指定よりも速くやってみようと思いつきました。
金曜日の練習でうまくいきそうな感触をつかんだので、
本番もそのままにしました。
私としては気に入っています。
そして『ドレミの歌』。
客席でノリにノッていた方がいらっしゃったのは、
この曲がきっかけだったと記憶しています。
バンバン手拍子してもらえるものだから、
凄くお客さんに喜んでもらえているのだと思いました。
この手拍子に引っ張られて、
会場全体が手拍子の渦になるのかと思いきや、
あれあれ?
単独でしたね。
舞台上からは何もできないのです…
『ドレミの歌』のラストは、
クラリネットからテナー・サックスへのカデンツへと繋がっていきます。
私の構想では、
クラリネットはすっと終わり、
そのあとのテナー・サックスがメインとなるようにしました。
深い音色が聴きたいと思ったのです。
『一人ぼっちの羊飼い』は、
ちょっと遅すぎると感じた方が多いかも知れません。
が、これも映画のイメージからそうしました。
ジュリー・アンドリュース演じるマリアが、
フォン・トラップ一家の子供たちと人形劇を演じるシーンの曲で、
子供たちが人形を扱いやすいように、
ゆっくりしたテンポで歌っていたのです。
『さようなら、ごきげんよう』も難しかった。
フォン・トラップ家で開かれたパーティーの夜更け、
子供たちがお客さんに「おやすみなさい」を告げる曲であり、
音楽祭に出演したフォン・トラップ一家がオーストリアに別れを告げる曲でもあります。
いい按配で演奏できたかどうか、自信がありません。
『エーデルワイス』、本当にどうしようか迷いました。
速すぎては情感が出ないし、
遅すぎてはタルくなるし。
いつ聴いても素晴らしいA野さんのフリューゲルホルン・ソロのあと、
何となくテンポが速くなってしまいそうなところを、
腕を大きめに動かす指揮でテンポを抑えにかかったのですが、
うまくいったでしょうか?
『すべての山にのぼろう』は、
フォン・トラップ一家が国外に脱出する場面、
映画の大団円で流れる曲です。
速すぎても遅すぎてもいけない。
目線は楽団よりも上を見るようにすること。
それがここでのテンポ感を得る方法でした。
不思議と自然な感覚になったのです。
これまでいろんなところで演奏されまくってきた曲ですが、
真摯に取り組もうとすればするほど、
考えることの多い題材でありました。