指揮台からの風景2013年7月11日

数ある監督業・コーチ業の中で、
音楽の指揮者は珍しい存在だと思います。
プレイヤーと同じフィールドで、
プレイヤーと一緒に本番に臨むからです。

野球の監督なんかすごく目立ちますが、
あれは野球が日本でメジャーなスポーツということで
マスコミが大きな扱い方をするからであって、
プレー中はベンチにいるのが基本。
ベース・コーチが一塁や三塁の横にいますが、
あくまでもファール・エリアにいなければならず、
フェア・グラウンドに入ることはできません。
(監督がピッチャー・マウンドに行くことがありますが、
あれはタイムがかかっている時)

バレーボールの監督、
コートのすぐそばで声をからしている姿をよく見ますが、
あれも厳密に線引きされたフィールドの外です。
選手がプレーする同じフィールドにはいません。

指揮台という、プレイヤーよりも一段高い場所で指揮しますが、
それはプレイヤーから見やすいようにするため。
同じフィールドにいると言い切れます。

さて、そんな指揮台から見える舞台上の風景。
第1部は全員黒服で壮麗でした。
第2部は紺色をベースに黄色の楽団ロゴをあしらったTシャツ。
イチロー選手が在籍した頃のオリックス・ブルーウェーヴ・カラーと勝手に思いました。
鮮やかで綺麗でした。

指揮台から見る客席の風景。
実は殆ど見えません。
大概スポット・ライトを浴びておりまして、
猛烈な光の中からは照明を落とした客席はよく見えないのです。
チキン・ハートな私としては、
このおかげであまり緊張しないで済んでいます。

指揮台で聴く音風景。
ここはホールの中で一番いい音がすると言われています。
いつもここで音を聴くことができて幸せです。
当日のゲネプロでは、
時々指揮台を離れて客席での音を聴きに行くのですが、
今年はその必要はないな、
という感じがしました。