『東京家族』を観る2013年1月30日
小津安二郎監督の『東京物語』。
名作だとは聞いているけれども未だ観たことのない作品でした。
(2012年に世界の映画監督358人が投票して、
史上最高の映画として『東京物語』が選ばれたそうです。
ちなみに第2位は『2001年宇宙の旅』)
ようやくDVDで観させていただきました。
私にとっては『男はつらいよ』の御前様の印象が強い笠智衆さんの、
何があっても笑顔を絶やさない姿が印象的でした。
そして伝説の名女優・原節子さんの姿を初めて観たのでした。
その上で、
山田洋次監督の『東京家族』を観に出掛けました。
もちろん、映画館へ、です。
優しく、母の慈愛に満ちた吉行和子さんの笑顔がとても印象的でした。
ああ、そんなこと、あるある、とうなずく場面がたくさんありました。
声を出して笑ってしまう場面もたくさんありました。
『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』を思い出すような場面もありました。
(実際、葛飾柴又でのロケもありました)
久石譲さんの音楽が、役者さんに寄り添うように優しく静かでした。
※※※
わたくし、映画を観てもそう簡単には泣きません。
以前は簡単に泣いてしまうほうでしたが、
長年の映画鑑賞によって涙腺が鍛えられたのでしょうか、
ほろりとすることはあって、
おいおい泣くことはありません。
しかし、『東京家族』では顔がグシャグシャになってしまいました。
嗚咽をもらすのを耐えるのがやっとでした。
泣けるからいい映画というふうには思いませんが、
『東京家族』は出演者・スタッフの力がこもった凄い作品だと思います。
この作品を最後に映画作家としての筆を置くつもりなんじゃないかと思うくらい、
特に山田洋次監督の強い念を感じました。
映画にここまで強い力を感じたのは『おくりびと』以来かも知れません。
『おくりびと』は3~4回観に行ったと思いますが、
『東京家族』もきっとそれくらいリピートしそうな気がします。