Qの径2025年4月9日

幼稚園に入る前の幼児期、
私は千里ニュータウンに住んでいました。
父の転勤の都合で。

転勤族だった父は、
同じ会社の後輩Sさん(やはり転勤族)の千里ニュータウンの家を借りたのでした。

ちょうど55年前の万博の頃です。
何度か連れて行ってもらった記憶があります。

この度の大阪・関西万博がトリガーになった訳ではなく、
今年の正月にSさんがお亡くなりになったという連絡を受けて以来、
久しぶりに千里ニュータウンを訪ねてみたいと思っていました。
桜咲くこの季節がちょうどいいかなと思い、
行ってきました。
(花粉は猛烈ですが)

実は20年くらい前にも訪ねたことがあり、
その時は事前予告もなくSさんのお宅を電撃訪問しました。
怪しむこともなく歓待してくださったのは、
おそらく風貌も声も父に似ていたからでしょう。

10年くらい前にも、
夜勤明けにふらっと訪ねました。

ですので定期訪問みたいなものですが、
やはり10年開くと道を間違えます。
ただし1回だけ。
三つ子の魂百までとはよく言ったものです。

もっと広い道だと思っていたのが意外と狭かったり、
北千里の駅からもっと遠かったと思っていたのが意外と近かったり、
間隔にズレはありますが。

子どものころから好きで、
今回も歩いてみたかったのが歩行者専用道路「Qの径」

径の出入口のオブジェが「Q」をひっくり返したみたいなので、
私が勝手にそう呼んでいます。
幼稚園に入る前からそう呼んでいた訳ではないと思います。
幼少期の印象が強烈に刻まれていて、
年を経て名付けたのだろうと思います。
いつ頃からかな…

街区が大きかったりすると、
それを分断するかのように「Qの径」が設置されていて、
遠回りしなくてもいいようになっています。

また、
歩いていて、
「しもうた。突き当りに来てしまった」
と思っても安心。
確かに自動車にとっては突き当りですが、
「Qの径」が向こうに通してくれるのです。

歩く人にとても優しい道なのです。

今はおそらく誰も住んでいないSさん宅、
幼少期によく遊びに行ったT君の家。
ここを訪ねることももちろん重要だったのですが、
「Qの径」を迷わず歩き回ることができて良かった。

桜も満開で綺麗だったのですが、
写真を撮るのは忘れました。